何だか話を聞いてもらえている気がしないの。
目的にもよるけど、会議をスムーズに進める “型” なら教えられるよ!
本記事では、「ウンウン!」と話を聞いてもらえる会議の進行術について解説します。
私が人事企画課長として数々の会議を経験する中で見出した、意思決定者の心理状態を踏まえた方法論なので、ぜひ最後までご覧ください。
前提
会議が始まったら、いきなり本題に入るのではなく、前提の認識を合わせておきましょう。
以下の3点が参加者の頭に入っていないと、「そもそもさあ…」とか「それ先に言ってよ~」という感じで調子を狂わされます。
逆に、この辺りがくどいと参加者は退屈してしまうので、所要時間2~3分のイメージでサクサクといきましょう。
会議の目的
なぜこの会議が開催されているのか、なぜこのメンバーが集められているのか、目的を共有します。
会議というのは、何かを決めるために開催されるのが原則です。
従って、「この時間内で何を決めたいのか」ということを明確に伝え、共通の目的のもとで議論をスタートできるようにしましょう。
決定事項の影響範囲
会議には、当該案件の意思決定者(基本的には一番偉い人)が参加しているはずです。
その人は責任ある立場としてジャッジする際、「この会議で決定したことが何に影響するのか」というのを気にします。
結果によって、得する人・損する人が出てくる場合は「誰にどんな影響がどれくらいあるのか」可能な限り具体的に伝えるようにしましょう。
今後のスケジュール
「え、今後の話なんだから最後じゃないの?」と思われるかもしれませんが、後工程によって議論のスタンスも変わります。
例えば、この会議が課長承認を得るためのもので、翌日に部長承認というスケジュールになっていたら、議論の持越しは許されません。
あるいは、この会議が最終承認の場で、後ほど決定事項が外部に通知されるなら、あわせて通知方法の擦り合わせも必要になります。
いずれにしても、この後どのように動くのかというのをインプットしておきましょう。
本題
いよいよ本題に入ります。
結論を先に述べて、後から根拠を述べます。
…といった話は100万回は聞いているはずですし、それが実践できないから困ってるんですよね。
さっそく明日の会議から使えるよう、具体的に説明するのでご安心ください。
まず、構成は「サマリ」と「詳細」の二段階で用意します。
会議資料をGoogle DocやMicrosoft Wordで作成する場合は、そのまま「サマリ」「詳細」と見出しを書いておきましょう。
サマリ
前項で説明した「会議の目的」が参加者の頭に入っていることを前提に、サマリでは「~について、~の方向で合意したい」「案A、案Bのうち、Aで進めたい」といった具体提案を述べます。
アジェンダには2-3行で記載するイメージです。
「バシッと結論を書いたところで、反対意見が出たらどうしよう…」と不安になるかもしれません。
しかし、会議の参加者、特に意思決定者にとっては「自分は何について意見を求められているのか、何を判断すれば良いのか」分からないまま話が進んでいくのは非常にストレスです。
ハイレベルな案件であるほど議論は大前提なので、反証があれば「ご意見ありがとうございます!」とばかりに受け入れて、観点を補強し、目的達成に向けてより良い結論を導き出しましょう。
詳細
結論に対する根拠にあたる部分です。
換言すれば、意思決定者が判断するための材料を揃えるイメージです。
どのようなプロセスでその提案に至ったのかというのを示すことで、「それならOK!」と納得してもらえたり、「だったらこっちの方が良いんじゃない?」と新たな気づきを得られます。
逆に、裏付けとなるプロセスがないと、筋の良し悪しを判断できませんし、フィードバックもしようがありません。
意思決定者は、常に「本当に検討漏れはないか?」ということを心配しています。
「こういう仮説があって、このように検証したところ、こういう結果がでました。そこからこのような示唆が得られたため、選択肢としてはAとBが考えられますが、この基準に照らすとAが妥当であると判断します」
このように論理を示し、安心して意思決定できる態勢を整えておきましょう。
- なぜ会議が開催されているのか、なぜこのメンバーが集められているのか、目的を伝えておく
- 意思決定者のモヤモヤを解消するために、決定事項の影響範囲を伝えておく
- 議論のスタンスを揃えるために、今後のスケジュール(動き)を伝えておく
- 会議のアジェンダは「サマリ」と「詳細」の二段階で構成する
- 「サマリ」では、具体提案を述べる(2~3行)
- 「詳細」では、根拠としての検討プロセスを示す
以上、参加者から「ウンウン!」と話を聞いてもらえる会議の進行術について解説しました。
このようなフレームワークを持っておけば、会議の度に「何から話せば良いのか」と悩むことなく、提案の磨き込みに集中できます。
「そもそも論理的思考が苦手で提案内容がまとまらない!」という人は、こちらの記事を参考にしてみてください。